怪獣と戦った航空機たち   MAT (妄想篇)
 多発する巨大怪獣による被害、宇宙からの侵入者による侵略行為。それに対処するために地球防衛機構(W.D.O)が設立された。
 その実戦部隊として組織されたのが、怪獣攻撃隊(Monster Attack Team = MAT)である。
 熱戦などを放射する怪獣に対するMATの専用装備としては、マットアロー・シリーズなどが開発されてはいたが、それらの配備が整うまでの間、MATの主力は在来型の航空機であった。
 軍組織から対戦車ヘリ、対地攻撃機、そして、その要員が供与され、怪獣と戦った。。
 北米のMATで活躍したのは、対地攻撃機フェアチャイルドA-10Aであった。
 初期は軍の迷彩塗装のままで使用されていたが、動物特有の超感覚により接近する脅威を感知してしまう怪獣に対して視覚欺瞞はさほど効果はなく、逆にギリギリまで接近した機が熱線により撃墜されてしまうケースが相次いだ。
 マットアロー用に実用化された耐熱、光線反射塗料が使用できるようになってからは、A-10もこの塗料による塗装が行われ、銀色の機体となった(写真の銀色機)。北米のMATは米軍と基地を共有しているため、オープンハウスの際に展示されることも少なくなかったという。
 視認性はあがってしまったが、元が頑丈な機体であったため、生還率は大幅に高くなり、マットアローの配備が始まってからもこれらの機体は使用され続けた。
 それほどまでにマットアローの配備数不足は慢性的であり、多発する怪獣出現に対して、これらの在来機を投入し続けても十分に補うことはできなかった。その結果、北米での対怪獣戦闘は別の組織に移管されることとなる。
 空母的な運用も可能な超大型飛行船スカイハンターを有する特別調査ネットワーク機関(W.I.N.R = Worldwide Investigation Network Responce)がその組織である。スカイハンターにより攻撃機ストライクビートルを運搬し、短時間で怪獣出現地域に展開し、迅速な対応が可能なこの機関は、まさに適任であった。また、彼らの調査対象が怪獣事件からみであることも多かったため、移管もスムーズに行われた。
 同様に広大な担当地域を有するオセアニア地区でも、国連軍から派生した国際軍事組織(UMA = Universal Multipurpose Agency)がMATに代わり、この任についている。
 ヨーロッパでも事情は同じであったが、フランスはMATに対して最新鋭のマルチロール戦闘機ラファール(写真上)を供与した。フランス本国の他、中東、アフリカなどの多くの国々で主力として使用された。これらの国はMATを国軍の一部として編成したため、マットアローが国家間の紛争に使用される可能性があり、配備が見送られ、その代用として配備されたのだ。もちろん、MATラファールは対怪獣戦闘を考慮した特別仕様機であり、運用次第では、マットアローにも劣らない戦力となった。
 マットアローと比べ運用経費などが比較的安価であったこともあり、ミラージュ戦闘機の運用実績がある国々では、同じダッソーの機体であるMATラファールを積極的に導入したようである。
 
 えー、またもやホビー・ジャパンのUWWからのネタです。
 迷彩A-10はアリイの1/144。銀色はドラゴン(ハセガワ扱い)の1/144です。アリイのキットはパーツの合いも悪くなく、割とスムーズに組めたのですが、ドラゴンの方は・・・、いや、苦労しました。
 ハリウッド版「Godzilla」では、今にも上陸せんとする大怪獣をこのA-10が迎え撃つ・・・という燃える構図を期待していたのですが・・・
 あんな映画でしたからね。
 ラファールはタミヤ=イタレリの1/72のキットを使用しました。UWWでも描かれているのですが、ラファールにマットアロー塗装は似合います。
 ただ実際にキットをそのように塗装してみると、見てのとおり、なんとなくセンチュリー・シリーズの趣になってしまいして、「銀色」というのは、あの時代の色なんだなぁ、としみじみ思ってしまいました。そういえば、怪獣と戦う巨人も、最近はなんとなく銀色の割合が少なくなっているような気がしますね。