怪獣と戦った航空機たち
 怪獣映画が大好きだったりします。いまだに・・・
 というわけで、怪獣たちとスクリーンやブラウン管で戦った航空機を手元の写真から集めてみました。
 まずはF-86F(写真1)です。「ゴジラ(1954)」にて、初代ゴジラに対してロケット弾で攻撃をしかけました。その後、「空の大怪獣ラドン(1956)」ではラドンと空中戦をしたりしています。写真はブルー・インパルスの機体ですが、これも実は「宇宙大怪獣ドゴラ(1964)」に出演しています。とはいえ、この機体そのものかどうかの確認はできなかったのですが。
1a  「バラン(19589」の夜間攻撃ではちゃんとレーダー付きのF-86D(写真1a)が登場しています。
2  T-33A(写真2)ももちろん出演しています。「ゴジラの逆襲(1955)」で、ゴジラ、そして「バラン(1958)」ではバラン攻撃に参加しています。
3  当時の最新鋭機として、「地球防衛軍(1957)」ではミステリアン・ドームの攻撃に参加し、「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス(1967)」では、怪しげな焼夷弾(?)でギャオス攻撃を行った姿が印象的なF-104(写真3)。「ウルトラQ(1966)」ではまだ出ていましたが、「ウルトラマン(1966)」以降では、F-4(写真4)とオリジナル機に空の主役を奪われたようです。
4  時期的に最も「対怪獣戦闘」に活躍したと思われるのがそのF-4です。
 「ウルトラマン」では四次元怪獣に地を這わされていた姿が悲しくも、印象的です。
 「ミラーマン(1971)」では、インベーダー迎撃の主力を勤めていました。
 「スペクトルマン(1971)」では、怪しげな迷彩塗装を施された機体が登場しました。
5  このF-4の後、要撃機の任についたのが、F-15(写真5)です。
 この手の作品で初めて姿を見たのは「大鉄人17(1977)」だったと思います。しかし、離陸シーンだけの出演であったように記憶します。よく考えると航空自衛隊が運用を開始する前ですね。
 記憶というは、いいかげんなもので、発掘したビデオを見てみると「離陸がF-104の実機。攻撃しているのはF-4の模型」でありました。
  F-15の本格的な対怪獣戦は「ゴジラvsキングギドラ(1991)」が初めてだったのではないでしょうか。ゴジラ・シリーズ初登場は「ゴジラvsビオランテ(1989)」ですが、このときは薬をまいただけで、怪獣への攻撃はなかったと思います。
6  日本では対地攻撃は支援戦闘機の役割となっているようです。
 「ゴジラ(1984)」では、F-1(写真6)がCCV機に改造されて登場します。
7  その後任のF-2(写真7)も「ゴジラvsメカゴジラ(1993)」に登場。しかも、実機がお披露目する前に。まだFSXと呼ばれていたころです。そのためか、登場する機体にはCCV用の小翼がついていました。
 F-16改という話もありますが、私はFSXだと思っています。
8  怪獣映画といえば欠かせないのが、ヘリコプター。怪獣の周りを常に飛び回り、その進路を報告したりするのが役割でした。
 初期にその任のあたっていたのが陸上自衛隊のH-19でした。陸自の機体の写真が入手できませんでしたので、写真8は航空自衛隊のものです。
 おそらく、「キングコンング対ゴジラ(1962)」あたりが初登場だと思います。(まつざわさんの指摘で調べてみましたが、H-19の初登場は「モスラ(1961)」のようです。同型S-55は「バラン(1958)」から登場しています。06.01.01
 奥にちらっと見える空自救難隊のV-107。その陸上自衛隊仕様機は輸送ヘリとして、「キングコング対ゴジラ」や「モスラ対ゴジラ(1964)」で活躍しました。
9  そのうちに世の中に、対戦車ヘリなどという戦闘ヘリが出現しました。
 写真9は「ゴジラvsビオランテ(1989)」からは怪獣攻撃にも参加した、AH-1Sです。
10  「大怪獣バラン(1958)」で海に潜むバラダギ様を捜索中に、返り討ちにあってしまったのが、P-2V(写真10)。後継機のP-3Cも平成ゴジラ・シリーズで活躍しています。

 と、書いたところポカをやってしまいした。
 写真の機体はP-2Jです。試製震電さんからのご指摘を2004.01.15に受けました。
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11  輸送機C-46(写真11)も活躍しています。「モスラ対ゴジラ(1964)」では爆撃機代わりに使われていました。
12  欧米にモンスター映画は数あれど、「怪獣映画」と呼べるものはあまりないような気がします。こういった映画の中での「軍隊」の強さは格別で、どんなに猛威をふるったモンスターも「軍隊」の攻撃には「ひとたまりもありません。このあたりに、「怪獣」に対する考え方の違いが出ているような気がします。
 かの「GODZILLA(1998)」も同様です。
 対戦車ヘリは「低速で移動する地上目標」を攻撃する兵器であり、ビルの谷間を高速で移動するあの巨大生物を攻撃するには、今一不向き。それはAH-64とて同様でした。州軍のアパッチは巨大生物に翻弄され、被害を広げただけでありました。写真12は陸自の同型機です。
 
13  結局、その巨大生物も人間の奸計にはまり、開けた場所で動きを封じられ、F-16(写真13)から発射されたミサイルによりあっさりとやられてしまうのでした。