「大浄化」と呼ばれる太平洋上でのバイストン・ウェル軍同士の殲滅戦ののち、全てのオーラマシンは地上から姿を消したと思われていた。 しかし、その後も世界各地でオーラマシンと思われる機体の目撃報告が相次いだ。 日本でもいわゆるウィングキャリバー・タイプが幾度となく目撃された。 現在では、これらの機体が実際にオーラマシンであることが判明している。 「大浄化」に際に、無人であったオーラマシンはバイストン・ウェルに召還されなかったのだ。 ドレイク・ルフトがオーラマシン工場の建設を企てていた米国には、大量のドラムロのパーツが残されていた。米国はそこから数機のドラムロを組み上げ、密かに試験を行っていた。もちろん、場所はグルームレイク、エリア51だ。同様に、ヨーロッパでも残された予備パーツからボチューンやビアレスが再生されていた。 しかし、操作性の問題から機体が暴走し、人目につくことも少なくなく、結局は各国ともオーラマシン所持の事実を公表せざるをえなくなった。 ナの国の補給部隊が残したビルバインのスペア・パーツを入手していた日本ではこれを復元。当初、硫黄島航空基地でのテストを行っていたが、前述のように暴走し、その際に民間飛行路に割り込み、目撃されてしまうことが多かった。 F-15などと同様の制空迷彩を機体に施し、視認性を下げてあったが、コンバータの発光現象は隠すすべもなかった。 米国にならいオーラマシンの所持の事実を公開したのちは、航空自衛隊岐阜基地に移され、飛行実験団によりテストが続けられた。 だが、そのころにはオーラ・セイバー・リキッドなどの消耗品が底をつき始め、飛行することはあまりなかった。 写真は岐阜基地にアプローチするウィングキャリバー。この写真では確認できないが、日の丸や飛行実験団のマークをつけた状態での目撃例もある。 代換えのきかないアクチュエータも多く、人型のオーラバトラー体型には変形できるものの、歩行すら満足にできなかったという。 人型に変形しないと、離着陸ができないため、変形機構だけは最後まで維持されていた。 |
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モノがモノであるだけに、航空祭などにも引き合いが多く、何度か地上展示されたこともあった。 しかし、そのときはトレーラーなどで陸運され、飛行する姿を撮影しようと基地外周に航空祭前から張り込むマニアを失望させた。 各国で飛行試験中にオーラマシンが消失する事件が続発したため、この機体も試験運用をとりやめ、上野の科学博物館に展示されることとなった。 ラスト・フライトは遠州灘での最高速度試験。パイロットは城毅一尉。 しかし、音速を越えた時点でレーダーからロスト。パイロットはおろか機体の破片も発見できなかった。 ちょうど、その時刻。遠州灘で「空中から海面に光の柱が突きささった」という報告が警察などに多数寄せられた。 博物館で余生を送ることを良しとしなかった機体が、パイロットと同調し、オーラロードを開き、バイストン・ウェルに帰還したのであろうか。 |
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ほどなく全てのオーラマシンは地上から姿を消した。 残されたのは人々の記憶と、人型機械の運動制御に関するものを主とした多量のデータのみである。 これらのデータを最も有効に活用したのは、ジオン公国のモビル・スーツ開発チームであることはいうまでもない MSジャーナル UC0088 4月号 より |
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さて、作品解題です。 ベースは1/48ビルバイン。以前から考えていた塗装ではあるのですが、キットが絶版状態だったため、実施できませんでした。 最近、再販されたので、さっそく「やって」みました。 設定上、オーラキャノンとかいった武装は全てオミット。 一番手間暇かけたのは、パイロット・フィギュアの改造ですが、いざ撮ってみたら、全然見えてませんでした・・・ 果たして、巨大人型兵器が航空祭や駐屯地記念行事に姿を見せる日は来るのでしょうか・・・ |