運用篇
 2016年の航空祭シーズンが終了しました。
 約1年間、エアバンドの受信などにBCD436HPを使用してきたまとめです。

 相手が「公開不可能な音声」ですので、このページが文章だけになってしまうのはご容赦を。

 まずは機能ごとに・・・

CLOSE CALL
 意外に使えなかったのはコレ。
 スキャンやサーチと平行して使用できるのですが、よほど強い電波でないとひろわないので、あまり役にたちません。
 空港や駐屯地の記念行事で仕掛けてみましたが、唯一ひろったのは、北宇都宮駐屯地の記念行事でのヘリの交信の一部だけでした。それ以降、使用していません。
Discovery Mode
 録音しつつ、周波数分類までしてくれる便利な機能ですが、落とし穴があります。
 受信的にはサーチと同じなのですが、周波数を仕分けながら記録するため、サーチ速度が極端に落ちます。
 また、航空祭などで受信しながら使用するにも向いていません。
 なぜなら、このモードで受信中は、いわゆるホールドがきかないのです。目当ての交信をひろって、そこでホールドしようとしても、止まってくれません。
 このモードが威力を発揮するのは、「留守番」のときです。
 「留守番」時には、できればスケルチは最大にしておいてください。ノイズもカウントしてしまいますので。
 また、電源も外部供給にするのを忘れないでください。
 まず、このモードで時間がゆるすかぎり走らせ、ノイズが入っている周波数をAVOIDでスキップさせます。
 後は、その状態で放置して、出掛けます。
 戻ってきたら、結果の確認。
 また、総合火力演習の時もこのモードは活躍します。
 2016年は予行に2回も行けたのでラッキーでしたが、会場に入れなくても、近くまでは一回は行くつもりでした。
 もちろん、このモードで使用周波数を拾うためです。実際には、一回目の予行のときには、ホールドできないのを承知の上で、終日記録し、使用周波数を拾い出し、2回目のときには、目当ての周波数だけでSystemを起こして、Scanで使用しました。
 Discoveryではサーチする周波数がとても多いので、拾った周波数だけをまとめた方が当然のことながら、拾い漏らしが少ないからです。
 何にしても、とっても便利な機能です。
 
Search
 Search Modeで録音した音声をPCなどに転送すると、周波数が表示されないのですが、
 Setting > Replay Option > Review Recordings から本体で再生すると、周波数が表示されます。
 現地で聞きながら、周波数を探す場合には、必要なところでホールドもかけることができますので、コチラの方が都合が良いように思えます。
 7月の横浜でのブルーインパルスの展示飛行は、この方法で使用周波数を拾うことができました。
Scan
 今のところ、一つのFavorites Listにすべて放り込んでいるのですが、Systemを憶えきることができないので、難儀しています(笑)
 記録できるチャンネル数はMicroSDの容量次第なので、大容量のSDを入れて、全部入りのListの他に用途ごとのListを用意して(たとえば、基地、空港ごととか)、行き先ごと切り替えて使用した方が良いかもしれません。
 現在、16Gのメモリを入れていますが、録音しても十分余裕があります。
総評
 まずは弱点から。
 最大のものはベルト・クリップ。
 試用篇でも書きましたが、これが本体からよくハズれます。IC-R6とかは逆に外れず、操作しにくいので、携帯ホルダとかを転用して操作性をあげつつ、落下防止をしています。ベルト・クリップはベルトから外れないのですが、どういうわけか動いていると、ベルト・クリップから本体が外れてしまいます。
 現時点では、これについては適当な対応策を見つけていません。

 燃費も悪いです。アルカリ電池を使用して、録音状態で使用した場合、約5時間で電池が切れます。電池交換すれば良いだけの話ではあるのですが、撮影場所や天候によっては、それが困難な場合もあります。
 そういうときは、モバイル・バッテリーを接続しておくと、電池交換不要で延々と使い続けることができます。USBケーブルがうっとうしいですが・・・
 昨今のスマホを使用するのと同じ要領といえば、同じです。
 航空祭などではタイミング的にお昼休みなどに交換することになりますので、問題にはならないかもしれません。

 感度が全体的に低いのも弱点と言えるでしょう。これについては目当ての周波数に合わせたアンテナを用意すればフォローできますが、航空祭では不自由を感じたことはありませんでした。
  
 ScanもSearchも十分早いので、基地以外の場所での展示飛行などでの使用周波数の拾い出しには大活躍します。
 陸自の駐屯地記念行事でも航空機との連絡はまだアナログを使用しているところが多いので、かなり拾えます。

 やはり便利なのはデータ付き録音機能です。
 従来はICレコーダーに記録していたのですが、レコーダーを通してイヤホンで聴くと、どうしても音量が低くなります。
 かといって、受信機の音量を上げると、録音された音が音割れしてしまいます。
 その対策として、音質も良く、音量の低下も少ないPチャン・イヤホンを使用していました。
 BCD436HPにはその必要がありません。さらに録音ケーブルとICレコーダもないので、かなりすっきりします。
 と言っても、体積だけみるとICレコーダ+IC-R6よりデカかったりします。
 それでも、ケーブルがないのはポイントが高いです。録音ケーブルは案外とよく外れます。
 録音した音声はICレコーダーのようにツルツルと聞いて、その日の様子を反芻することはできません。しかし、時間が記録されていますので、写真側に記録された時間(ありがたいことに、デジカメは画像以外の場所に時間を自動的に記録してくれるのです)と照らしあわせることで、写真の追加情報のように扱うことができます。

 電源を切るとクリアされるTemporaly Avoid機能も便利です。
 官民共用の基地などで軍用機の交信だけを拾いたいときなど、民航のタワー周波数などはスキップしたいものです。
 私が使っていたどの機種もスキップするのも、元に戻すのもやっかいだったのですが、この機種はAVOIDもボタンひとつで(AVOIDボタンがある)できますので、簡単にスキップできます。電源を切るとAVOID(スキップ)の登録がすべてクリアされますので、後で困ることも少ないです。

 さて、私のレビューはここで一応終わりますが・・・
 導入してみます?

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