試用篇

 
 さて、なんとなく使い方がわかってきたところで、あれこれ試してみました。

 BCD436HPを真ん中にして、比較のため手持ちの機材を並べてみました。
 BCD436HPの圧倒的なデカさがわかると思います。
 ベルトクリップのユニット自体が本体からハズレやすいので、腰に下げるにも工夫が必要です。
 メインで使用していたのは、IC-R6(左の機材)ですので、これと比較してみました。
 ICレコーダーの左音声にBCD436HP、右音声にIC-R6を入力、録音したファイルを、オーディオ編集ソフトで視覚化すれば、一目で比較ができます。ここではフリーウェアのAudacityを使用しました。
 まずは受信感度の比較です。同じアンテナで同じ周波数を一定時間受信して、受信数を比較します。

 図:上側  左音声 機材:BCD436HP アンテナ:コメット AB1230H スケルチ:最大 
 図:下側  右音声 機材:IC-R6     アンテナ:コメット AB1230H スケルチ:最大 



 圧倒的にIC-R6の方が感度が良さそうです。
 受信機側の感度は実のところ、アンテナを交換することで稼ぐことができます。
 そこでBCD436HPのアンテナを第一電波工業のRH1230に交換してみました。私の知る限り最強のエアバンド用アンテナです。(長いので取り回しが極めて悪いのですが)

 図:上側  左音声 機材:BCD436HP アンテナ:第一電波工業 RH1230 スケルチ:最大 
 図:下側  右音声 機材:IC-R6     アンテナ:コメット AB1230H     スケルチ:最大



 割と差が縮まってきました。
 次に、現在私が航空祭などで常用しているコメットと山本無線が共同開発したCMY-AIR1に変えてみました。
 このアンテナは途中がバネになっていて自在に曲がり、長さもほどほどなので取り回しが極めて良く、感度も上がるので、重宝しています。

 図:上側  左音声 機材:BCD436HP アンテナ:コメット CMY-AIR1 スケルチ:最大 
 図:下側  右音声 機材:IC-R6     アンテナ:コメット AB1230H  スケルチ:最大 



 やっぱりRH1230最強です。CMY-AIR1に変えてもAB1230Hの時とあまり差がありません。
 
 さて、感度だけでなく、スキャンやサーチの速度も「現場」では重要です。
 大概の機種で、サーチよりスキャンの方が速度が遅いので、ここではスキャンを比較してみます。
 同じ内容のVHFエアバンドのバンク(436HP的にはSystem)をスキャンさせてみました。
 カタログ的はBCD436HP 85ch/sec 、IC-R6 52ch/sec。

 図:上側  左音声 機材:BCD436HP アンテナ:コメット AB1230H スケルチ:最大 
 図:下側  右音声 機材:IC-R6     アンテナ:コメット AB1230H スケルチ:最大 



 ちょっと、早い分だけ受信数の差が縮まります。
 では、アンテナを変えて、感度を稼いでみましょう。

 図:上側  左音声 機材:BCD436HP アンテナ:コメット CMY-AIR1 スケルチ:最大 
 図:下側  右音声 機材:IC-R6     アンテナ:コメット AB1230H  スケルチ:最大 



 状況が変わりました。
 CMY-AIR1の方がAB1230Hより、VHF帯のエアバンドには強いようです。
 さらに最強アンテナ RH1230に交換すると・・・

 図:上側  左音声 機材:BCD436HP アンテナ:第一電波工業 RH1230 スケルチ:最大 
 図:下側  右音声 機材:IC-R6     アンテナ:コメット AB1230H     スケルチ:最大



 今更ですが、やっぱり受信感度はアンテナ次第ということを実感させられます。

 では、試用の締めです。「これから」のセットと「これまで」のセットの比較です。

 図:上側  左音声 機材:BCD436HP アンテナ:コメット CMY-AIR1     スケルチ:最大 
 図:下側  右音声 機材:IC-R6     アンテナ:第一電波工業 RH1230  スケルチ:最大 



 トータルの受信数では及ばないものの、まずまずと言ったところでしょうか。

 視覚化したのでわからないのですが、スケルチを最大にかけていても、IC-R6は多少でも音声が聞き取れる信号は拾います。
 しかし、BCD436HPは確実に音声が聞き取れる信号しか拾いません。
 単に「感度」と、ここでは記述しましたが、スケルチの効かせ具合の差もあるかもしれません。

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